社会人になる前に知っておきたいこと

社会人になる前に知っておきたいこと
原岡修吾 著
  • 書籍:定価1540円(本体1,400円)
  • 電子書籍:定価1078円(本体980円)
  • 四六判・並製/232ページ
  • ISBN978-4-484-11202-2 C0030
  • 2011.01発行

仕事と会社の基礎知識から、仕事に役立つ法則あれこれ、そして幸せな社会人生活のヒントまで、「困った!」となる前に読んでほしい、社会人の基本の“き”。「はじめて読むビジネス書」におすすめ!

書籍

Amazon 7net 楽天BOOKS

電子書籍

楽天kobo ibookstore honto readerstore 紀伊國屋書店 booklive

内容

「はじめて読むビジネス書」
会社では教えてくれない、仕事のこと、会社のこと、人生のこと――

●働くとは、どういうことなのか?
●自分に向いている仕事の見つけた方とは?
●なぜ、サラリーマンは給料をもらえるのか?
●会社は、どんな仕組みになっているのか?
●ところで、社長って何者?
●社会人ならではの落とし穴って?
●「幸せ」って、どういうことだろう?

仕事と会社の基礎知識から、仕事に役立つ法則あれこれ、
そして幸せな社会人生活のヒントまで、
「困った!」となる前に読んでほしい、社会人の基本の“き”。

これから社会人になる人はもちろんのこと、
基本を学ばないまま仕事をしてきてしまった多くの社会人たちにも、
多くの“気づき”と“発見”を与えてくれる一冊。

はじめに

私は人事コンサルタントとして、様々な企業に「新しい給与体系の導入」「組織体制の見直し」「社員教育」などのお手伝いをしてきました。
そのようなコンサルティングを長年行ってきて感じることがあります。
それは、多くの人が「基本」を充分に理解していないうちに、テクニックに頼ったり、応用的な考え方をしている、ということです。
現代は多くの情報が錯綜しているため、そのインプットがうまくいっていないことが主な原因だろうと思います。つまり、情報ばかりが先走りしているのです。また、本当はとても大切な基本事項を、「これが基本だよ」と分かりやすく教えてくれる場が少ないようにも思います。
まずは自分が納得のいく(正しい)考え方や基本的な知識を身につけて、その後でそれらを応用していけばよいのです。基本がしっかりしていれば、芯がぶれずに良い仕事ができます。
それでは、どうやって正しい考え方や基本的な知識を習得すればよいのでしょうか。
これを分かりやすく解決しようというのが、本書を執筆した動機です。結論に近いテクニックも大切ですが、全体の仕組みや考え方を理解してこそ、テクニックを十二分に発揮できるのです。
たとえば就職活動では、エントリーシートの書き方や面接への臨み方などのテクニックを紹介した本やセミナーは数多くあります。しかし、それらは就職活動の仕組みを理解して初めて効果が発揮されるのです。
仕事においては「即戦力」として新入社員時代から期待されることが多いようですが、見よう見真似だけでは仕事に深みが出ません。やはり、きちんとした基礎教育が必要なのです。基本ができているからこそ飛躍があるのです。

私はコンサルティングの一環として、「全社員とのフリートーク」を行う場合があります。目的は、その会社の本当の姿を理解することです。
会社の情報は社長や人事部長から十分にいただきますが、それだけでは100%とは言えません。本当は短期間でも社員のみなさんと実際に一緒に仕事をするのが一番なのですが、そうもできないので、社員一人ひとりとのフリートークを行うのです。
1人30分から1時間を目安に、主に職場環境や仕事の進め方、会社(あるいは他の社員)に対して感じていることなどをインタビュー形式で聞きますが、時には話が将来(転職や人生設計)に関することに及ぶ場合もあります。
私が会社の上司ではなく外部の者だからか、意外と本音を聞くことができるので、有意義な手法だと感じています。
社長や人事部長が掲げるテーマ(問題点)のほかに、このフリートークで明らかになった問題点を解決するのが私の仕事です。もちろん「会社が良くなるために」という視点からの解決です。
また、就職活動を控えた学生と、講演やセミナーという形で接することもあります。それは授業のような形式の場合もあれば、学生からの質問に答えることがメインの場合もあります。ここでも、様々な悩みと接します。就職活動が恵まれていたバブル時代とは違い、今は誰もが自分の将来(就職)について不安に思っているのです。
問題点(悩み)の解決方法はいろいろありますが、まずはその問題点(悩み)をなるべく具体的に整理して、原因や背景を考え、そして何を取り除けば(あるいは付け加えれば)いいかを考える、というプロセスで進めるのが私のやり方です。
本書はそんな考えのもと、特に次のような人の役に立てれば、との思いを込めて執筆しました。

●これから就職活動をする学生へ
今までは、周りの動きに合わせて行動していれば大体OKだったのではないでしょう
か。しかし、就職活動には自分の将来がかかっています。しっかり自分自身を見つめ直して取り組む必要があります。
本書では、就職活動のテクニック本には載っていない「社会や会社の本質の部分」をたくさん紹介しています。「社会人ってこんな感じなんだ」「会社(ビジネス)ってこういう世界なんだ」というように、少しでも将来のビジョンをイメージできるよう役立ててください。

●若手社会人(20代前半)へ
20代前半と言えば、仕事も覚えて、ようやく自分のペースがつかめてきた、といったところでしょう。
最近、「自分に課せられた仕事は覚えたけど、これから飛躍するためには何をしなくてはいけないのかな?」なんてことを考えたことはありませんか?
本書は、会社ではわざわざ教えてくれない「基本的なこと」を多数紹介しています。本当は知っていて当たり前の内容ばかりですが、実は多くの人が、直接自分の仕事に関係がないからということでスルーしてしまっています。
これらの「基本事項」を理解せずに「飛躍」はない、と私は考えています。
このあたりで一度、ビジネスの基本事項をしっかりと整理してみませんか?

●バリバリの社会人へ
中堅としてバリバリ仕事をしている人にとって、本書の内容は、もう充分に理解していることばかりだと思います。
しかし、よく見ていただくと意外に新鮮な内容があるはずです。あるいは、「ちょっとここらでもうひと頑張りしたい」と考えている方には良い刺激になるかもしれません。
ビジネスにおいて「正解」は一つとは限りません。本書ではいろいろな視点からビジネスを論じています。新しいアイデア創出に役立つことができれば幸いです。
また、部下指導や後輩へのアドバイス等に悩んでいる人にとっても、大いに参考になると思います。

●そろそろ転職したいと考えている人へ
転職が珍しくない時代です。考えてみれば、「最初に入社した会社が本当に自分に合った会社」という方が少なくて当然なのかもしれません。
転職する際は、なるべく前職の経験を活かしたいものです。しかし、それだけでは物足りないことがあります。そんなときは本書を「飛躍の素」として利用してください。
どの業界にも共通するようなビジネスの基本から応用まで、幅広く紹介していますので、「これから転職をして心機一転」と考えている方に便利に使っていただけるはずです。

●企業の人事(教育)担当者へ
御社ではどのような社員教育をしていますか?
人は、正しい教育を受ければ大きく成長します。逆に、教育を受けなければ成長のスピードも質も低いものとなってしまいます。
だからといって、社員教育に過度の予算を費やす必要はありません。
外部の教育専門スタッフに丸投げという方針の会社もありますが、理想を言えば、専門家の力を借りつつも自社社員が主導して教育活動をするのが良いと思います。
本書はいわゆる「教育に関する本」ではありません。様々な視点から会社生活やビジネスについて紹介しています。御社の教育活動のスパイスとしてご活用ください。

本書のタイトルは『社会人になる前に知っておきたいこと』ですが、決して学生だけに向けた内容ではありません。本書に書いてある、仕事をするうえでの基本的な知識をもたずに、これまで過ごしてきた社会人もたくさんいると思います。より多くの方に、本書はきっとヒントを与えられると信じています。

目次

1章 仕事をはじめる前に知っておきたいこと
理想と現実
マズローの「欲求の5段階説」
年収500万円は、1日2万円以上稼ぐということ
脱アルバイト生活
「お金」と「仕事の内容」、どっちが大事?
お金で買えないもの
会社を辞めることは必ずしも悪いことではない
上司や同僚に恵まれないときは
コミュニケーションの基本
人生はつまずきの連続である
「正論」が正しいとは限らない
自分に向いている仕事の探し方
良い生活リズムの作り方
仕事の「プロ」になるために
納税者として堂々と生きる

2章 会社と仕事のことをもっとよく知ろう
会社の仕組み、業界の仕組みを理解する
労働に関連する法律を知る
社長ってどんな人?
社長(会社)からのメッセージ
給与明細を理解する
自分の会社の意外なビジネス
会社にはどんな部門(課)があるのか
「1+1=3」が組織の強み
チームのために行動する
組織には正しい目標が必要
チーム編成における7つの注意事項
お客さまは神様です
「感動」を提供するということ
最高の結果と最悪の結果を意識する
「需要と供給」「供給と需要」の謎
囲碁流「第一感」からの思考方法に学ぶ
趣味から仕事の幅を広げる
教育こそ成長の礎

3章 仕事に役に立つ法則と理論
パレートの法則(80:20の法則) ロングテール理論
アイドマの法則
ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)
1:5の法則、5:25の法則
メラビアンの法則
SWOT分析
苦情処理と購買行動の法則(グッドマンの法則)
PDCAサイクル
オズボーンのチェックリスト
ランチェスターの法則
ブルー・オーシャン戦略
データの活用方法

4章 社会人ならではの落とし穴と、その対処法
仕事のストレス
健康管理の重要性
お酒
ギャンブル
悪徳商法
詐欺
カルト宗教
困ったら相談しよう

5章 幸せな社会人生活を送るために
人生設計を立てる
自分にとっての「幸せ」とは何か
小さいゴールと大きいゴールを設定する
人生設計と寿命について
人生の山場について
ウサギはカメを見ていた、カメはゴールを見ていた

著者

原岡修吾(はらおか・しゅうご)
1969年チリ・サンチャゴ生まれ。千葉県流山市立東部中学校、早稲田大学本庄高等学院、早稲田大学商学部卒業。
1992年コクドに入社。その後、制作会社やコンサルタント会社勤務を経て、2006年独立、株式会社オーダーメイドステーションを設立する。人事コンサルタントとして、企業の給与体系や組織体系、教育部門のコンサルティング業務を行う。大企業だけではなく、日本を根底から支える中小企業へのコンサルティングや講演、セミナーなども積極的に行っている。
http://www.oms-consul.com/
info@oms-consul.com

●ブックデザイン/鈴木正道(Suzuki Design)
●カバーイラスト/Michiyo

Twitter